ファンパーク

クリムゾンレッドの一員となって早1年が過ぎた。
名門クラブを渡り歩いた母国ブラジル時代は、どのクラブでも栄冠を手にしてきただけに、「ヴィッセルでも」という思いは強く抱いている。
日本の環境やJリーグに完全に適応し、開幕からリーグ戦全試合スタメン出場を続けるニウトンはこれからもピッチを駆け続ける。
ここ神戸の地でも栄冠をつかみ取り、クラブの歴史に新たな1ページを刻むために──。

この舞台でプレーすることに幸せを感じている

―ヴィッセル神戸へ加入してからちょうど1年が経ちました。どんな1年でしたか? 「本当に一瞬だったと言っても過言ではないほど、ものすごいスピードで進んできましたが、人生においてとても意味のある時間になったと思います。来日当初は日本の暑さに苦しめられ、環境に順応するのは大変でしたが、クラブ、チームの仲間はもちろん、たくさんのサポーターが温かく支えてくださったおかげで約2カ月で適応でき、以降の時間はより充実したものになりました」

―ニウトン選手の明るい性格も、一瞬にして仲間やサポーターの心をつかんだように見えました。 「僕はブラジル時代から、常に応援してくださるサポーターの皆さんといい人間関係を築きたいと思っていました。なぜなら『12番目の選手』である彼らはどんな時もチームの一員として大きなエネルギーを与えてくれるからです。だからこそ、僕も仲間である彼らに対して常に親切に、笑顔で接することを心掛けていますし、与えられる以上のポジティブなエネルギーを返したいと考えています」

―来日前はずっとブラジルでプレーされていましたが、ブラジルのサポーターと日本のサポーターに違いはありますか? 「日本のサポーターは常に、選手やその家族に対して、リスペクトの気持ちを持って、温かく接してくれます。そのおかげで、僕はこの舞台でプレーすることに幸せを感じているのだと思います。これはおそらく、日本の教育に理由があるのではないでしょうか。幼少の頃から素晴らしい教育を受けられる日本の環境が、豊かな心を育み、他者へのリスペクトの気持ちを備えることにつながっている。Jリーグには、そういった環境で育てられた選手、サポーターが数多く存在しているように思います。それに対して、ブラジルサッカーにおけるサポーターは、どちらかというと少しプレッシャーに感じる存在でした。もちろん、日本のサポーターと同様に『12番目の選手』としてチームを応援する気持ちに変わりはないと思います。ただ、それが少し攻撃的な要求に変わることがあるのも事実です。競争馬がムチを打たれて走らされるように、息をつくことさえ許されない状況で結果や成長を求められ、日本でプレーする何倍ものプレッシャーをかけられます。
ただ僕が思うに、成長を求めるには、時に息をつくことも必要で、僕にとってはそれが日本に来るということだったように思います。これは何も休みたいから日本に来たという意味ではありません。外国籍選手としてプレーする責任の重さを考えれば、ブラジル国内とは違うプレッシャーを感じていたのも事実です。ただ、実際にこの日本で1年間プレーしたことで、ブラジルのようなプレッシャーを受けずとも成長を見いだす方法はあると実感しています」

―Jリーグのサッカーについては、どのように理解し、そこで自身が生きる術を見いだされてきたのでしょうか? 「来日した時から、僕はJリーグのサッカーを知る以上に、ネルシーニョ監督のサッカーを理解するのが大切だと考えていました。だからこそ、まずは監督の求めていることを知り、その中で日本人選手がそれをどんなふうに受け止め、行動に移しているのか。また、彼らのいいところは何かを知ることから始めました。加入前にヴィッセルの試合映像をたくさん観たのはそのためです。その上で、自分の何をヴィッセルのサッカーに生かせるか、そのために何を変えるべきかを明確にしました。これらは周りとの連係もあることなので少し時間がかかりましたが、昨年の半年間である程度、クリアすることができ、今年はそのアドバンテージをもとに、より自分に自信を持ってプレーできています」

―順応するために変えたことを具体的に教えてください。 「昨年の半年間で、日本人選手のパスに対しての意識、集中力はブラジルのサッカーのそれよりも相当高いと感じました。と同時に、中盤から前線にあてる、くさびのパスについても、その精度はもちろん、本数を多く求められます。だからこそ、まずは一つひとつのパスに対する意識が変わりました。またブラジルと比べて、Jリーグのサッカーは運動量が格段に多いですからね。特にブラジルのサッカーは、前半はある程度のペースで進んでも後半は膠着した展開になることが多いのに対し、Jリーグは前半以上のペースで後半が進められる傾向にありますからね。つまり、90分を通してインテンシティの高いサッカーが繰り広げられる。実際、ブラジルでは1人あたり1試合の走行距離が9~9.5kmなのに対し、日本では10~11kmを求められるので、それを踏まえたペース配分の仕方も変化させたことの一つです。この運動量については正直、僕があまり得意としていない部分でしたが、その必要性を感じてパワーアップを求めたからこそ、自身の成長を実感できたのだと思います」

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Vol.40[JUL.2017]

ヴィッセルスマイル Vol.40[JUL.2017]
  • 「白鶴酒造で神戸が誇る酒造りを学ぶ」田中英雄選手×田中順也選手
  • 特集「RECOMMEND FACE」ニウトン選手
  • 「VISSEL LAB」中坂勇哉選手
  • 「秘蔵PHOTO COLLECTION」山口真司選手
  • 「ルーキーズ・インタビュー」安井拓也選手
  • 「スタッフがひも解くネルシーニョ監督」吉田孝行ヘッドコーチ
  • 「いぶき日記ダイジェスト」 など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

ニウトン

Profile
ニウトン
ブラジル出身。2016年夏にヴィッセルの一員となった大型ボランチ。ハードな守備に加え、長短織り交ぜたパスを駆使し攻撃面でも大きく貢献する。空中戦にも滅法強く、セットプレー時は攻守両面で絶大な存在感を発揮している。
1987年4月21日生まれ、ブラジル マット・グロッソ州出身、185cm/88kg

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