ファンパーク

今年で30歳という一つの節目を迎え、ヴィッセル通算在籍年数も10年半を数える三原雅俊。
ベテランと呼ばれる年代に入ったと言えるが、サッカー、ヴィッセルに対する思いは衰えを知らない。
「もっとうまくなれる」、「このクラブのためにしっかりと結果を残せる自分でいたい」。
冷めることのない情熱を胸に、背番号24は自分と向き合い続ける。その先に、求める“結果”があると信じて。

チームに影響を与えられるくらいの存在感を示せるように

―フアン マヌエル リージョ(フアンマ)監督が就任して約2カ月。最も強く要求されてきたのはどんな部分ですか? 「クラブが今シーズンのスタートから掲げている『FCバルセロナ』を理想とした戦い方は、フアンマ監督も理想とされている部分だと思いますが、監督に就任された時点で、残留争いに巻き込まれているというチーム状況がありましたからね。まずは、負けが続いている中で一番の課題だった失点の多さを改善するため、ゴール前での厳しさや細かなポジショニング、それに伴うメンタル面を強く求められました。そうした『闘う姿勢』やボールを奪いに行く際の『強さ』を求められる上では『これが世界のスタンダードなんだな』と感じるところはたくさんあるし、そうした部分で僕たち自身がもっと変化していければ、結果もついてくるんじゃないか、という期待感はすごくあります」

―リージョ監督によってもたらされた新たなエッセンスがあれば教えてください。 「僕自身が新鮮に感じたのは『プレーの選択を決めるのは、相手選手の動き、プレーだ』という考え方です。つまり、単にボールを保持してテンポ良くボールを動かすだけではなく、スペースがあればそこにしっかりとボールを運び、相手選手が寄ってきたタイミングでパスを出すことを考えろ、と。よく『主導権を握る』という表現をしますが、これって何となく自分たち主導でボールを動かし、ゴールを目指すというイメージだと思うんです。少なからず僕はそうだっただけに、ボールを動かすのは自分たちでありながらも『どこに動かすのかは相手次第』という考え方は新鮮でした。これはある意味、発想の転換とも言えますが、頭ではすぐに理解できても、その感覚を体に染み込ませるのは簡単ではなく……。正直、今はまだ少しずつ変化してきた、というレベルです。でも、練習では着実に備わりつつあるという手応えは感じているので、あとはどれだけ試合の中で表現できるかだし、これが自然とできるようになればチームはもっと変化していくんじゃないかと思います」

―三原選手自身はここ最近、サイドバックを預かっていますが、個人的にはどんなことを求められていますか? 「今シーズンは本職のボランチで一度も起用されていないですからね。そこは正直、複雑ですが(苦笑)、一方でいろいろなポジションを経験してプレーの幅を広げることは選手としてプラスでしかないと思っているし、もともと僕は『自分の色を出すより、与えられた役割に徹して仕事をする』という考え方がベースにありますから。試合に出ることが一番の成長だと考えても、すごくポジティブに受け止めています。その中で監督に求められているのは……とにかく『ボールを奪われるのは禁止』とよく言われます(笑)。あとは自分の逆サイドにボールがある時の体の向きとか、状況に応じた細かい部分なので、一つひとつを言葉にするのは難しいですが、僕自身は監督からの要求に対して、自分が納得すればプレーで表現するという意識で取り組んでいます。というのも、実際にピッチに立たなければ見えない景色もあるから。瞬間的な相手の表情や目の動きも含めて、例えば、相手が『ここを狙っているな』と感じているのに、監督に言われたからと言って、自らリスクを冒す必要はないのかなと。もっとも、これはあくまで監督に求められるプレーに自分なりのアレンジを利かせる、という意味ですよ。監督も常日頃から『ピッチで表現するのは選手だ』とおっしゃってくれているし、結果的にそのプレーの選択が『成功』につながれば咎められることもない。だからこそ、僕自身もピッチに立つ限りは責任を持って、しっかり判断していきたいと思っています」

―チームとしては前半戦こそ上位で折り返したものの、後半戦では7戦未勝利など、失速したと言わざるを得ない状況がありました。原因をどう考えますか? 「難しいですね。僕がヴィッセルに在籍した10年強の中でも、こうした状況は何度も経験してきていて、そこが変わらなければタイトルには近づけないと思っていたし、過去の反省を踏まえて、また年齢的にも上のほうになってきただけに、僕自身も何らかの『変化』を与えなければいけないと思っていたけど正直、自分のことに精いっぱいで……。という状況の中で、結果的に今も完全には残留争いから抜け出していないチーム状況があり、その理由は一つではないと思っていますが、この世界は『結果』がすべてなので。勝てなかったということは、イコール、取り組んできた戦術が確固たるものではなかったし、身につけつつあると思っていた強さも本物ではなかったということだと受け止めるべきなのかな、と。と同時に、そうした本物の強さを備えなければ『タイトル』には近づけないからこそ、そこは来シーズンもより突き詰めていかなければいけないし、僕自身もチームに影響を与えられるくらいの存在感を示せるようになっていかなければいけないと思っています」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.54[JAN.2019]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.54 [JAN.2019]
  • 編集長スペシャル企画/渡部博文選手×田中順也選手×前川黛也選手×大槻周平選手×増山朝陽選手
  • VISSEL SMILE EXPRESS/三原雅俊選手
  • VISSEL LAB/ティーラトン選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/古橋亨梧選手
  • 荻晃太コラム「ドレスコードはありません」
  • “裏”いぶき日記/前川黛也選手
  • コーチングスタッフインタビュー/ホルヘ ムニョスアシスタントコーチ など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

三原雅俊

Profile
三原雅俊(みはら・まさとし)
正確なテクニックと優れた戦術眼を兼ね備え、複数のポジションでチームに貢献するバランサー。今シーズンも本職ではないサイドバックで安定感のあるプレーを続け、変革に挑むヴィッセルを支えた。今年で30代に突入したが、サッカーへの欲は高まり続けている。
1988年8月2日生まれ、熊本県熊本市出身、175cm/69kg

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