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今夏にFC岐阜より加入すると、攻撃の新たなカードとして瞬く間に頭角を現した古橋亨梧。
チームとしては指揮官交代後も思うように勝利を引き寄せられず、苦しい時期を過ごしているが、持ち味のスピードやドリブル突破を武器に、貪欲に“結果”を追い求める彼の姿勢は好影響を与えている。
「諦めずに続けることが大事」。快足アタッカーは残り試合もひたむきに走り、戦い、ゴールを狙う。

もっとプレーの精度や質を自分に求めていきたい

―8月1日に加入が発表されてから約2カ月半。初のJ1リーグを戦ったこの2カ月半はどんな時間でしたか? 「あっという間に毎日が過ぎて『あと5試合で終わっちゃうのか、早いな』というのが率直な気持ちです。移籍当初は初めてのJ1リーグで、自分がどのくらい通用するのか不安もありました。ですが、これまでやってきたことを評価していただいてヴィッセルに獲得してもらえたはずなので。『今の自分を信じてやれば、絶対に結果を出せる』と信じて走ってきました」

―FC岐阜ではスタメンに定着し、今シーズンも6試合連続ゴールを挙げるなど主軸として戦ってきました。移籍の決断は難しかったですか? 「個人的にはチャレンジしたい気持ちが強かったものの、岐阜ではコンスタントに使ってもらっていたにもかかわらず、チームの調子はあまり良くなかったですから。そもそも、今の自分があるのは大学卒業後、なかなか進路が決まらなかった時に岐阜が拾ってくれたからで……だからこそ、このタイミングでの移籍は悩みました。でも、チームメイトを含めていろいろな人から『チャンスだから、恐れずに行け』と言ってもらえたし、話をもらったのが世界的にも有名なアンドレス(イニエスタ)やルーカス(ポドルスキ)のいるヴィッセルだけに『一緒にプレーできるのが羨ましい。俺も一緒に行きたいくらいだ』と言ってくれた仲間もいて……。自分としても、このチャンスを無駄にしたくなかったし、ヴィッセルという、より厳しい環境に身を置くことでもっと成長したいという思いも強かった。スタメンで出場できる保証はないけど、その中で揉まれてピッチに立てたら確実にステップアップになるはずですしね。そういう思いから最終的には移籍を決断しましたが、悩んだことで、改めていろいろな人に支えられてきた自分を再確認できたので、これも自分にとっては大事な時間になったと思っています」

―今シーズンのヴィッセルは「FCバルセロナのサッカーを目指す」と明言してスタートしました。チームコンセプトが明確だったことで、このチームでプレーする自分を描きやすかったところはありましたか? 「それはありました。実際、岐阜もパスをつなぐチームだったし、もっと遡れば興國高校時代もバルサを理想としたサッカーをしていたことで、チームにすんなり入れたところもあったと思います。ただ、細かいことを言えば、岐阜は選手間の距離が近くて、細かいパスをどんどんつないで崩していくことが多かったのに対して、ヴィッセルは岐阜に比べると距離はやや遠いですが、その分、パススピードが早くて連動性も高いという違いがあり……。それによって相手を剥がせるし、前を向いたタイミングでアクションを起こせば効果的なパスも出てきますが、まだまだその中で自分の特徴を生かせていないので、もっとプレーの精度や質を自分に求めていきたいです」

―『関西のバルサ』とも呼ばれた興國高校は攻撃的なポゼッションサッカーをするチームでした。古橋選手もかねてからそういうスタイルが好きだったのですか? 「いや、そうでもなかったです。ただ、生駒FCに所属していた中学3年時に練習会や練習試合に参加させてもらって、純粋に興國のサッカーが楽しくて。内野智章監督の話も面白くて『ここでサッカーをやってみたい』と思ったし、監督にも熱く声を掛けていただいたので、興國を選びました。当時の興國は、内野監督が就任してまだ3年で全国高校サッカー選手権大会にも出たことはなかったですが、当時はまだ僕の中での『プロ』への思いも漠然としていましたから。『強いチームで』というよりも、『もっとサッカーがうまくなりたい』という思いが強かったのもありました。実際、入部してみると、独特な面白いサッカーをしていたし、今の自分につながる『ドリブル』などを学べたことで自信もつき、『プロになりたい』と本気で思うようになりました」

―ヴィッセルに話を戻します。シーズン途中の加入で初めてのJ1リーグを戦うにあたり、特に意識したことがあれば教えてください。 「移籍に際してヴィッセルの試合を何試合か観ましたが、その時から『自分のようなプレースタイルのアタッカーは少ないな』と感じていたし、そこは自分でも武器にしたいと思っていたので、まずはしっかり走ることを意識していました。ただ、J2リーグに比べると、思っていた以上にリーグ全体のパススピードが早く、止めて蹴るなどの技術が高い選手も多くて……。正直、今はまだ周りとのタイミングが合っていない部分や、質の高い相手に対する自分のプレーという面でも、物足りなさを感じることは多々あります。でも、自分のプレーをやり続ければ、他の選手にスペースが生まれてチャンスになることもあるはずなので、献身的にやり続けたいと思っています」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.53[DEC.2018]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.53 [DEC.2018]
  • SPECIAL REPORT「フアン マヌエル リージョが新監督に就任」
  • SPECIAL INTERVIEW/三浦淳寛スポーツダイレクター
  • VISSEL SMILE EXPRESS/三田啓貴選手
  • VISSEL LAB/古橋亨梧選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/橋本和選手
  • 荻晃太選手コラム「ドレスコードはありません」
  • “裏”いぶき日記/前川黛也選手
  • コーチングスタッフインタビュー/田中章博コンディショニングコーチ など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

古橋亨梧

Profile
古橋亨梧(ふるはし・きょうご)
今夏に岐阜から加入した快足アタッカー。相手DFラインの背後を突く抜群のスピードやキレのあるドリブル突破に加え、J2時代に6試合連続ゴールを記録した得点力も大きな魅力。加入直後からチームにフィットし、攻撃に変化を与えるカードとして欠かせない存在になりつつある。
1995年1月20日生まれ、奈良県生駒市出身、170cm/63kg