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神戸に新天地を求めた2017シーズンは思うような結果を残せず、大きな挫折を味わった大槻周平。
だからこそ、その時間を「味わえて良かった」と言い切れるくらい、ピッチ内外で努力を重ねた。
それが実を結び4月8日のガンバ大阪戦では劇的な決勝弾。このゴールで「サッカーは楽しむもの」と再確認した。背番号33はこれからも楽しみながら、がむしゃらに突き進む。「ヴィッセルでタイトルを獲る」という目標に向かって。

自信を持ってサッカーを楽しむことが大事

―今シーズンも約半分の戦いを終えました。まずはチームとしてどんな手応えをつかんだ前半戦でしたか? 「序盤は苦しい戦いが続きましたが、試合を重ねるごとに、今年目指しているサッカーを見せられるようになってきたとは感じています。もちろん、こんな短期間でFCバルセロナになれるとは思っていませんが、目指すべきスタイルがあるのは、チームが同じ方向を向いて進んでいく上で大事なことだし、それを基準に攻撃も守備も考えられるようになってきたのは、プラス材料だと思っています」

―理想とするスタイルに近づいていく過程では、チーム内にどんな変化が見られましたか? 「まずは開幕直後はなかなか揃わなかった個人のコンディション、プレーの質が公式戦を重ねることで揃いはじめ、結果がついてくるようになり、それに伴って『自分たちはこのサッカーで勝負するんだ』という自信が備わったのは大きかったと思います。もちろん、すべてが理想どおりに運んだわけではないですが、ポゼッションをしてパスをつなぎ、ゴールを陥れるというスタイルが結果につながるシーンが増えるにつれ、新しいサッカーへの戸惑いみたいなものも払拭されていった。いや、戸惑いというよりは……当初は、新たにチャレンジしようとしていたスタイルに、それぞれが自分のプレーを適応させるのに苦労しましたが、試合を重ねる中で融合点を見つけられるようになっていった。その中では選手同士が昨年以上に、多くのコミュニケーションを取りました。というのも、個々のプレースタイルは違って当然ですが、それを最終的には同じ方向に向かわせなければ、いいサッカーはできないから。だからこそ、僕も含めた全員が口を開いて考えをぶつけ、自分の意見を押しとおすばかりではなく周りの考えも受け入れることをしながら戦ってきたし、それがプラスに働きはじめたんだと思います」

―個人的には本来のFWのみならず、4−4−2のサイドMFや4−3−3のウイングなど、新境地を切り開いた前半戦でした。その事実は、ポジティブに受け止めていますか? 「昨年の悔しさもあって、今シーズンをスタートする際には「これまでとは違う自分を見せなければいけない」と思っていましたが、正直、こういう変化は予想外でした(笑)。ただ、新たなポジションを開拓してみて、今は素直に「これまで、もったいないことをしていたな」って思います。というのも、これまで自分の中で勝手に『俺はFWしかできない』という限界を決めてしまっていたと気づいたから。でも、今はいろいろなことにチャレンジする大切さを実感しているし、実際に新たなポジションをするようになって気づけたことも多かっただけに、すごくポジティブに受け止めています」

―気づけたこととは? 「『点を取るためには、武器が必要だ』、『ただ動いているだけで点は取れない』と感じたことも一つです。例えばウェリントンのようにヘディングという絶対的な武器があれば、ボールを『出す側』の僕は、確実にそれを生かすことを考えますからね。そういう意味では……今後ポジションはどうなるか分かりませんが、自分が『点を取る』ためには、仲間にも分かりやすく伝わるような自分の武器を見つけて、極める必要性も感じています。というか、そこはすでにトレーニングでも意識していますが、今はまだリーグ戦で1得点しか挙げられていないのでもっとやらなければいけません」

―現ポジションを預かる上で「ゴール」と「チャンスメーク」のバランスはどう考えていますか? 「僕の中では今シーズンの目標に『全部のクオリティーを上げること』を掲げていて。得点やアシストはもちろん、守備もサボらずにやる、と。そういう意味ではバランスを取るというより、「全部やる」という意識でいます。ただ……ガンバ大阪戦でゴールを決めた際に届いた、友達やこれまでお世話になった方からのメールの数を考えると、やっぱり注目されるのはアシストよりゴールだなと(笑)。それがサッカーの醍醐味でもありますしね。だからこそ、もっとゴールは自分に求めたいし、何よりそうした目に見えた結果が残せなければ、ピッチに立ち続けることはできないという危機感もあります」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.49[AUG.2018]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.49 [AUG.2018]
  • ティーラトン選手とタイ料理を堪能!/
    渡部博文選手×田中順也選手×ティーラトン選手
  • VISSEL SMILE EXPRESS/大槻周平選手
  • VISSEL LAB/増山朝陽選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/松下佳貴選手
  • スペシャル座談会(三洋工業株式会社)/藤谷壮選手、安井拓也選手
  • 荻晃太選手コラム「ドレスコードはありません」
  • “裏”いぶき日記/前川黛也選手 など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

大槻周平

Profile
大槻周平(おおつき・しゅうへい)
左足から繰り出す正確かつ強烈なシュート、空中戦の強さといった点取り屋の資質を備えつつ、ピッチを駆け回る献身的な守備でもチームに貢献。今シーズンはサイドMFとして新境地を開き、レギュラーに定着している。ピッチ外ではイジられキャラとしてチームのムードメーカー的役割も担う。
1989年5月26日生まれ、京都府福知山市出身、178cm/75kg