ファンパーク

「サッカーが好きだから、楽しいから極めたいし、うまくなりたい」。そう考える西大伍は、プロサッカー選手として成長し続けるためにヴィッセルへの移籍を決断したという。加入1年目とは思えない存在感でチームに好影響をもたらす背番号22は、勝ち負けに一喜一憂することなく、常に自らに矢印を向けて戦い続けていく。

勝つことを積み重ねて自信を持てるようになった

―加入から約5カ月。関西での生活には慣れましたか? 「最初は関西のファンの皆さんのゴリゴリ感に少し戸惑ったというか……サインは一人一回ですよって言っているのに、並び直して2回来ちゃう人がいたり……その姿を可愛らしいなと思う反面、押しの強さに驚いていましたが(笑)、最近は慣れてきました。それに関西は美味しい店も多いし、神戸には山も海も川も全部揃っていて、釣り好きの僕には最高の環境です。移籍してきたばかりの頃は土地勘もなく、どこか余所者な感じがしていたけど、最近は遠征に行っても「神戸に帰ってきたな」という感覚が持てるようになってきましたしね。自分が住む街、落ち着く場所になってきたんだと思います」

―加入したての頃にご自身のことを『深い人間』とおっしゃっていました。今日はその『深さ』を探りたいと思います。 「自分ではそう思っていますが、あくまで自分基準なので他の人に比べたら案外、深くないかもしれないですよ(笑)。物事を考えるのは好きだけど、それを肯定化するために『深い』と言っているだけで、意外と浅いかもしれない」

―サッカー以外の時間は何に充てることが多いですか? 「人に会うのは好きです。特に鹿島アントラーズ時代は東京に住んでいたので、サッカー絡みではない、いろいろなジャンルの、いろいろな人に会っていました。関西ではまだそういうネットワークが広がっていないので、もう少し面白い場所や人との出会いを見つけたいなって思っています」

―いつもどんなふうに、ご自身のネットワークを広げていくのですか? 「レストランで隣に座ったおじさんに自ら話し掛けたり、店の人と仲良くなって、その人を介してつないでもらうこともあるし、女性の店員さんをナンパすることもあります(笑)。『ナンパ』って聞こえが良くないかもしれないけど、男性も女性も、おじさんも子どもも、知らない人に自分から話し掛けるのは僕にとって、大きなくくりで『ナンパ』なんです。それに『ナンパ』って、コミュニケーション力を向上させるには最高の手段だし、そうやって人との出会いを楽しむことで、サッカー以外の世界について学べることも多い。また、自分がクリエイティブでいるためにも必要だと思っています」

―ナンパの成功率は? 「ここ数年は、めちゃめちゃ高いです。年を重ねるにつれて、男女関係なく、人としてモテるようになってきた気がしているし、実際にいい出会いも増えてきたので悪くないなって思います」

―20代前半の頃から、そんなふうに周りの人とコミュニケーションを取るのは得意でしたか? 「いや、年を重ねるにつれてだんだんこうなってきた感じです。本を読んでいいフレーズに出会ったり、会った人に影響を受けて意識して行動してみたら新しい発見があったり。そういった成功体験を繰り返して、今の自分がいます」

―どんなジャンルの本を読むことが多いですか? 「自己啓発の本が多いけど、いろいろな本を読みます。例えば、『クマにあったらどうするか』とか(笑)。その本によると、とりあえず死んだふりは効かないらしく、絶対に逃げないほうがいいそうです。それよりも相手が逃げるのを待て、と」

―それは、サッカーのヒントにしようと思って選んだ本ですか? 「いや、全然。でも読み終わった後に、サッカーに通ずるものがあるな、とは思いました。というのも、サッカーでも危ない場面であえて自分を落ち着いてみせるっていうのは一つの技術だし、それによって対峙する相手選手が飛び込めなくなって、間が作れることもありますしね。そもそも、パスって『間』が大事で、そこにはコミュニケーション能力が必要だと思うんです。そういう意味では、知らない人に会って話をするのも、見えないところでサッカーにつながっているのかもしれない。これはあくまで後づけで、何でもかんでもサッカーに結びつけて生きているわけではありません。それに、そもそも僕にとってサッカーは釣りと同じ『趣味』という感覚で、単に好きだからやっているし、楽しいから極めたいし、うまくなりたいとも思う。そこには、お金を払って観に来てくれる人への責任も伴いますが、それも好きで楽しいから続けられている。もっとも、これも若い時からずっと思っていたわけではないです。プロとしてやっていけるのか分からなかった頃は、いろいろな不安もありました。僕の場合、北海道コンサドーレ札幌ユース時代からずっと試合に出て活躍していたわけではなかったし、アンダー世代の日本代表にも入ったことがなかったですしね。ただ、そういう状況にあっても他の選手と自分を比べることなく、常に自分に矢印を向けて、自分には何が必要かを考えて取り組んできた結果、少しずつサッカーを楽しめるようになってきた。加えて、いろいろな試合を経験し、勝つことを積み重ねて、自信を持てるようになったんだと思います」

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つづきは、オフィシャル月刊誌「ヴィッセルスマイル」Vol.58[JUL.2019]でお読みください。

ヴィッセルスマイル Vol.58 [JUL.2019]
  • 編集長スペシャル企画/『道』を極める!ヴィッセル戦士が書道&茶道に挑戦!
  • VISSEL SMILE SPECIAL ISSUE/西大伍選手
  • 情熱鍼灸整骨院×ヴィッセル神戸/前川黛也選手&初瀬亮選手
  • VISSEL LAB/吉丸絢梓選手
  • 秘蔵PHOTO COLLECTION/中坂勇哉選手
  • ダイヤの“裏”いぶき日記/前川黛也選手 など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

西大伍

Profile
西大伍(にし・だいご)
タイミングを見計らった効果的な攻め上がりが魅力の技巧派DF。昨シーズンまで所属していた鹿島アントラーズでは、主力としてAFCチャンピオンズリーグなど数多くのタイトルを獲得してきた。ヴィッセルでは加入1年目ながら攻守に絶大な存在感を発揮し、屋台骨を支える。
1987年8月28日生まれ、北海道札幌市出身、178cm/74kg

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