ファンパーク

ヴィッセルに加入して3シーズン目を迎えた今シーズン、
躍動感あるプレーを披露するペドロ ジュニオール。
「チームの勝利が僕の喜び」。個人の数字には目もくれず、
誰よりも勝利への執念を燃やすドリブラーは、
熱くひたむきにピッチを駆け抜ける。すべてはヴィッセルにタイトルをもたらすために。

周りの選手との連係面には手応えを感じている

―2ndステージもすでに6試合を戦いました。1stステージからここまでの試合に感じている手応えと課題を教えてください。 「ネルシーニョ監督のもとでのプレーも2シーズン目となり、当然戦術面の浸透は感じられますし、試合の中でもそれが結果として表れるシーンは増えてきたと思います。ただ、それを1試合とおして継続できているか、毎試合コンスタントに結果を出せているかといえばそうではない。いい試合をした後にすごく内容の悪い試合をしてしまったり、内容のいい試合を勝利に結びつけられなかったりして勝点を落とした試合も多いですから。また『何としてでも勝つ』というような勝利に対する執着心もチームとして足りない部分だと思います。上位を争うチームというのは、決していい内容の試合ばかりをしているわけではないけど、最終的には『勝利』という結果を導き出せている。だから、連勝もできている。そこは毎年のように僕たちの課題として挙げられている部分ですが、本当の意味で全員が現状を抜け出したいと思って行動に移さなければ『タイトル』には届かないと感じています」

―昨シーズンよりも主導権を握れる試合は増えてきたように思いますが、それがなかなか結果に結びつかない理由はどこにあるのでしょうか? 「確かに、昨シーズンよりも前線から積極的にボールを奪いに行き、素早く攻撃に切り替えるというスタイルで主導権を取れる試合は増えてきたと思います。タイトルを争うチームの多くが主導権を握った戦いをしていると考えれば、我々も守備一辺倒ではない『タイトルに近づく戦い』ができるようになってきたと言えるでしょう。ただ、主導権を握って試合を進めていても、簡単にボールを失ったり、それによって相手に主導権を渡してしまったり、ということも試合の中ではまだまだ見られます。つまり質の部分です。組織の質、個のプレーの質をもっと高めていかなければコンスタントに結果を導けないからこそ、そこは僕も含めた全員が意識的に取り組んでいかなければいけないと思っています」

―個人的にはここまで(8月3日時点)リーグ戦で5ゴール、アシストはチーム最多の8アシストを数えます。今シーズンは周りを生かすプレーも目立ちますが『生かすこと』、『生かされる』ことにおいて意識していることはありますか? 「僕のプレーは常にチームが『勝利』という結果を出すために、ということから逆算して生まれています。だから、『生かすこと』も『生かされること』も、僕の中では特に意識したことはありません。『勝利』という結果を出すために取った選択が、結果的にゴールやアシストにつながっているんだと思います。それは攻撃だけに言えることではありません。前線から精力的にボールを追い掛けるのも、あくまでチームが勝つため。その守備がなければ勝つ確率が減ってしまうと思うからこそ、ボールを追い掛け、奪い、攻撃につなげようというプレーを心掛けている。だから、僕は自分の個人的な数字には全く興味がないんです。もちろんゴールやアシストがチームの勝利に直結するのならうれしいですが、仮にゴールやアシストがなくても、チームの駒として勝利につながるためのプレーを90分とおしてできればそれが僕の喜びです」

―ゴールやアシストにはつながらずとも、ペドロ選手のドリブルは相手チームの脅威になっています。それも『勝利』につながる大事な要素の一つですね。 「そうだといいですが、そのすべてがチームの結果につながっているわけではないし、現時点でのチームの結果を見てもまだまだ物足りない。それでも、周りの選手との連係面には手応えを感じています。特に、レアンドロや(渡邉)千真とは長い時間一緒にプレーしていますからね。3人ともプレースタイルは違いますが、お互いを尊重し合い、いい部分を引き出すという作業ができているし、そうした良好な関係がピッチでも証明されていると思います」

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Vol.34[OCT.2016]

ヴィッセルスマイル Vol.34[OCT.2016]
  • 巻頭企画「編集長突撃インタビュー!橋本選手に聞きたい30の質問」
    橋本和選手、前田凌佑選手
  • 特集「FEATURE」ペドロ ジュニオール選手
  • 「VISSEL LAB」レアンドロ選手
  • 「ヴィッセル選手の絵しりとり」村松大輔選手
  • 「Roots」小林成豪選手
  • 「いぶき日記ダイジェスト」 など

価格:500円(税込)

「ヴィッセルスマイル」の詳細

ペドロジュニオール

Profile
ペドロジュニオール
驚異的なスピードと独特のリズムのドリブルで守備網を切り裂くアタッカー。今シーズンは、前線の選手との連係もさらに向上し、得点に加えアシストでも貢献する。チームとして、そして自身初のタイトル獲得に向けて勝利への執念は人一倍強い。
1987年1月29日生まれ、ブラジル パラ州出身、182cm/75kg

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