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クラブ2022年5月18日

[レポート]5/14(土)サポーターカンファレンス実施のお知らせ

5月14日(土)に「ヴィッセル神戸サポーターカンファレンス」を実施いたしましたので、お知らせいたします。

会場には142名のファン、サポーターの方にご来場いただき、出席者3名の挨拶に始まり、質疑応答を実施し、全体で約2時間の開催となりました。

試合前のお忙しい時間帯に多くの方にご来場いただけましたこと、心より感謝申し上げます。

 

サポーターカンファレンス概要

■日時:5月14日(土)09:00~11:00

■場所:よみうり神戸ホール

■出席者:

楽天ヴィッセル神戸株式会社
・代表取締役会長 三木谷浩史(オンライン参加)
・代表取締役社長 徳山大樹 
・スポーツダイレクター 永井秀樹

■来場人数:142名

 

代表取締役会長 三木谷浩史 ご挨拶

・当初我々が引き継いだ時から考えると、去年皆さんと一緒にリーグで3位という、考えられないような成績まで何とかクラブの実力を上げてきたと思っています。
・2021年の実績をベースに2022年も戦えれば、それなりの戦力が整っていると考えていました。
・過密日程になっていたことで、負傷者が続出してしまったというところが今の現状。反省の弁でいうと、そこに向けて補強が必要だったのかなと思います。
・少しでも組織的なサッカーができる首脳陣、特に監督を、ということでロティーナ監督を招聘しました。
・現在のパフォーマンスについては、私も含めた現場の責任。
・SDはサッカー界でのネットワーク、サッカーに対する考え方やビジョン、こういうものが体系だって持っている人でないといけないので、適任者はそんなに数はいないです。
・永井氏は、我々がヴェルディのスポンサーをしていた頃からの付き合いであり、その人格や、若者への熱血を持った指導の様子を、生で何度も見てきました。若者を鼓舞するような、厳しいながらも思いやりや熱さがあるなと感じていていました。
・本人、周りの人たちのヒアリングも行い、前の監督である三浦氏にも相談をし、永井氏を強化のリーダーとなってもらおうと判断をしました。
・JFA、Jリーグと相談をし、現場への指揮は更生プログラムが終わった上でしっかりやってほしいが、強化部に関しては全く問題ないと正式にお言葉をいただいた上で決断しました。
・永井氏はこのチーム状況が厳しい中、ロティーナ監督の招聘や、今後の補強など、すでに彼のネットワークと知見を使って論理的、組織的に運営してくれています。
・皆さんの喜ぶ顔が見たいということから、これまでも個人の会社のころから、いろんな支援をさせていただいてきましたが、このような事態になって大変申し訳ないと思っています。
・相互理解が深まり、また一丸となって前に進めていければ大変うれしく思います。

 

代表取締役社長 徳山大樹 ご挨拶

・サポーターの皆様に直接お話しさせていただく形がなかなか取れず、申し訳ございません。
・しっかりボールを保持して試合を支配するフットボールのスタイルを確立しながら、ヴィッセル神戸として成長していくという方向性をイニエスタ選手を中心にしながら実施することを我々は「プロジェクト」と言っています。
・現状、リーグで最下位という成績でファンサポーターの皆さんに申し訳ないという気持ちでいっぱいです。
・過密日程だったり、様々な要因も含めて、多くの主力選手が離脱してしまい、チームとして目指すサッカーができず、結果がなかなか出ないという状況が続いています。
・三浦前監督はヴィッセル神戸にとって功労者。感謝してもしきれないですし、彼に対する思いは私も強く持っていますが、このタイミングでロティーナ氏に監督をお任せすることにし、チームの立て直しを現在図っています。
・4月2日のタイミングで、サポーターの皆様にご説明させていただく機会を設けましたが、時間と会場の制限のため人数を制限せざるを得ず、30名の方とのお話の場という形をとらせていただいた。
・開催方法に関してこれだけ皆様からたくさんのご意見をいただくということには我々の対応に不備があったのだと思います。その点に関しては申し訳なく思っています。
・4月10日のセレッソ戦の前日にロティーナ新監督が合流し、チームが12日からACLに旅立つというタイミングでしたので、どうしてもサポミを4月中に開催できなかったです。
・急なご案内になってしまったことは申し訳ないが、ホームゲームの前には皆様にお話しすべきだろうということで本日試合前のこのタイミングでサポミを開催させていただくという運びになりました。
・サポーターの皆様としっかりお話しするというスタンスなので、これからもしていきたいです。
・永井氏とはSD就任の前に本人と何度も話をしました。話し合いを重ねる中で、昨年起こったハラスメントに関しては、本人も深く反省しているということを我々も確認をし、反省がしっかり伝わってくる中で、ヴィッセル神戸が掲げるプロジェクトを成功させるんだという強い思いに、非常に感銘を受けました。
・ヴィッセル神戸、楽天グループはハラスメントに対して一切許容はできないという中で、ハラスメントが起こらない仕組みをしっかり整えています。
・チームとしては現在非常に苦しい状況。皆様にスタジアムへ足を運んでいただくことが選手の支えとなります。この状況を打開すべく一丸となっていければと思います。

 

スポーツダイレクター 永井秀樹 ご挨拶

・皆様にご迷惑おかけしたことを深くお詫び申し上げます。
・もっと早いタイミングで、直接皆様とお会いして自分の思いや正直なところをお伝えさせていただきたかったが、なかなかかその機会が作れなかったことも大変申し訳なく思います。
・もう一度日本中を感動させたクラブを作りたいという思いで指導者のキャリアをスタートさせました。
・自分の目指すサッカーは2010年のバルセロナ。イニエスタ選手が中心にいて、サッカーを超越した、人々を感動させるサッカーです。
・ヴェルディを好きすぎたがゆえに、ヴェルディを再建したいという思いが強すぎたゆえに、周りが見えなくなっていたのではないかと反省している。自分の監督としての未熟さ。
・三木谷会長、徳山社長、小学4年生のころから付き合いのある三浦前監督より、ヴィッセル神戸がスタートさせた素晴らしいプロジェクトに参加してもらえないか、という話をいただいた。
・自分がその大役を引き受けていいかどうかは本当に悩み、引き受けてはいけないという思いの方が正直強くありましたが、自分の理想とするサッカー、2010年のバルサの中心選手で活躍したイニエスタ選手がいて、世界基準で日本サッカーを変えていくというこのヴィッセル神戸のプロジェクトは非常に魅力的でした。
・プロジェクトに参加できるチャンスがいただけるとは夢にも思っていなかったですし、このタイミングでお話をいただけたことは身に余る光栄だったが、本当に最後の最後まで悩み、一度は三木谷会長にお断りさせていただいた。
・フットボールで生きてきた人間なので、その反省をもとに、微力ながらも日本サッカーに恩返しをしたい思いで、この素晴らしいヴィッセル神戸のプロジェクトに自分自身が携わらせていただくこともすごくありがたいことではないかと思い、決断に至りました。
・ここから自分自身の全情熱を傾けて、結果で証明するしかないと思っています。
・強化、選手、ファンサポーターの皆様と一緒に、三木谷会長のお父様の残していただいた「一致団結」という言葉を体現していきたいです。
・皆様からの信用信頼を得られるよう全力で取り組んでいきます。

 

質疑応答

トップチーム、サッカースタイルに関して

Q,長期のビジョンとして1年後、3年後、5年後、今目指すサッカーに対して、具体的にどう目標に近づけていくかのロードマップを見せてもらいたい

永井:中・長期のプランを皆さんにお見せできるようにします。今現在、自分が感じていることはクラブの未来を考えると、直近のトップチームの成績をあげていくことです。あわせて、バルサ化という言葉が独り歩きしていますが、自分が考えるバルサ化は育成の事も含めてと捉えています。2010年のバルセロナがなぜ理想的かというと、カンテラという育成組織から約8名がレギュラーで活躍できた、それがヴィッセルでもできると思いますし、世界中のお手本でもあるイニエスタ選手もいますし、そこを目指す子供たち、日本中の子供たちが、夢を抱いてヴィッセル神戸のユニフォームを着たいと思ってもらえるようなクラブになれるようにしていかなければならない、そこが大事なところだと思います。トップチームの強化とアカデミー・育成、この二つをしっかり考えて、皆さんにもプロジェクトの説明をさせていただきます。

 

Q. ヴィッセル神戸は監督交代が多く、就任する監督によってスタイルが異なり、一貫性がないように思うが、どうとらえているか。また、どういうスタイルを作りたいか教えていただきたい

徳山:私はサッカーを語れるほどのサッカー経験はありませんが、ボールの保持率が高いだけがいいとは思っていませんし、今チームは、改革、改善をしています。結果で見ていただくしかないかなと思います。また、同じ考えの監督はいないと思います。監督によってスタイル、ボールの保持の仕方は異なります。現状をいいと思ってはいないですが、ロティーナ監督のやり方で我々が目指すボールを保持するサッカーを体現してほしいです。また、それぞれの監督というのは結果論です。それぞれの監督のスタイルとヴィッセル神戸が目指すサッカーの融合を図るのが重要だと考えております。

永井:サッカーにおいて、サッカー哲学とサッカースタイルが分かれます。ヴィッセルが目指すサッカーの哲学というのは変えるべきではないですし、変わらないです。ボールを支配して勝つというところです。これを推進していく中で多少監督によってスタイルが変わるのかなと思います。実際にロティ―ナ監督に来ていただいて、自分の中でももっと守備をやるのかと思っていましたが、ポジショナルな部分もかなりやっています。シンプルに考えるとゴールを目指す、ゴールを守るというサッカーの大原則に基づいてどうしていくかがそれぞれの監督で変わってきます。私もトップチームの監督というのは少なからず経験がありますが、常に結果を問われます。結果と内容の二つを同時にできる監督が、やはり優れた監督です。これはかなり難しいです。ヴィッセルのようなビッククラブでは内容だけではもちろん納得していただけないと思います。高いレベルでの結果を求められます。その難しさは当然あると思います。クラブとしての根幹の哲学は変わらないですし、そこは考えながら進めていきたいです。

 

今シーズンの成績に関して

Q. 現在リーグ戦が最下位だが、今年リーグ戦は何位を目指すのか、そのために何を強化していくのか

永井:我々が目指すところは変わりません。リーグ戦、カップ戦、天皇杯も含めて、いい結果を追求していきます。まずリーグ戦は勝点を取っていかなければならない中で、ロティ―ナ監督を招聘しました。世界中から多くの売り込みがありましたが、今の現状を考えるともう一度しっかり守備、チームの規律を組織的に整備ができること、何よりJリーグを知っている監督であること。新しく日本のサッカーを知ってもらうのも時間もないと判断したので、来てすぐアジャストできる監督を招聘させてもらいました。私が数か月、見させていただいた中、少し選手とも話していますが、今、本当の意味での一致団結という意識が少し薄れているように感じました。実績のあるベテランたちは、強い責任感でプレーしてくれています。そこに対して若手たちが、いらぬ遠慮をしているように感じますし、そこを若手がもっとレギュラー選手のポジションを奪って、ヴィッセルの未来を作っていくという気持ちでやっていって欲しいですし、それがいい競争を生み、チームとしてレベルアップをしていくと思います。サッカーは個人競技ではなく、チームスポ―ツなので、最後はどれだけ人のためにプレーできるかの献身性はカテゴリー関係なく同じだと思います。他の選手のために自分が働くという気持ちが大事です。うまくいかなくなれば、人のせいにすることなく、人のために戦える集団になることが大事です。その積み重ねが、選手たちのポテンシャルになり、勝ちに繋がっていくと信じていますし、強化していきたいと考えています。夏の補強は、すごく大事なところだと思っていますし、しっかり現有戦力を見極めながら、本当に必要な戦力を補強し、実現していきたいと思います。

 

永井SD就任に関して

Q. 永井氏による謝罪、ご自身が未熟と話したその部分の改善、人とのコミュニケーションをいかにとるかという話が聞けていないが、徳山社長はそういう存在をどう思われているか

徳山:今回就任いただく際に、何度も話し合いを重ねました。本人は深く反省しているとしっかりと感じることができました。ただ、これから再発しないのかという点は、永井SDだけでなく会社としてそこはしっかり対策をとる必要があります。Jリーグのコンプライアンス研修に加え、楽天グループでも研修をしっかり行っています。でも、研修をすればそれでいいのか、ということではありません。私もクラブハウスに定期的に足を運んで、実際に永井SDが選手、スタッフにどう接しているのかを見ています。周りの人間にも、面談を通して確認しています。今、私が見る限りしっかりまわりに丁寧にコミュニケーションをとってくれています。クラブを向上させていく情熱を持ってくれています。情熱をもっていないというのはあり得ないことだと思います。ただ、その情熱の伝え方が適切ではなかったから、昨年の事象になったことは永井SDと話し合い、その適切でなかった部分をしっかり改善する、そして改善されたかを確認していきます。永井SDだけでなくクラブとして、コンプライアンス、ハラスメントの防止を行っていきます。皆様から多くお声をいただいたことは真摯に受け止めております。永井SDには日本サッカー協会が主催するハラスメント研修を受けてもらっていますが、日本サッカー協会、Jリーグとも話し合いながら、事前に相談し、永井SDのことや考えをご理解いただけています。しかし、サポーターの皆様からご理解をいただけていないので、こういうご質問を受けていると認識しております。結果、また結果に至るまでのプロセスでご判断いただくしかないと思うのですが、なんとしてもクラブが一致団結していく中で、永井SDにセカンドチャンスを与えたいと思いもあり、このクラブを共によくしていく姿勢で臨んでおりますので、ご理解いただければ幸いです。

 

Q. JリーグによるS級指導者ライセンス1年間停止処分が明けてからSDや他の役職という考えがあったと思うが、なぜ重責であるSDを永井氏にお願いしたのか

徳山:正直申し上げて、このタイミングというのは悩みました。我々としてもSDという役職での就任は遅らせて、その他の形での従事というところも検討しました。ただ、三木谷も申しておりましたがヴィッセル神戸におけるプロジェクトを進めていく上で、スポーツダイレクターは非常に重要で、だからこそ皆様からご意見をいただいていると思いますが、必要な能力はサッカーに対する知見、ネットワーク、そしてこのプロジェクトを実行する能力だったりと、なかなか務まる人がいない中で、永井氏は務まる素養があるというところと実際に永井氏と就任前に何度も話し合い、この件に対して深く反省しているということが見えると判断をし、クラブとして目指しているプロジェクトを成功させるためには永井氏が必要で、クラブとしてもセカンドチャンスを与えるという考え方もあり、このタイミングで永井氏に就任いただくことになったというのが私からの答えです。

 

地域密着、クラブ運営に関して

Q.地元神戸を重視して欲しいが、東京への移転の話がメディアに出ることや、東京で会見を行うなどは地元の軽視があるからではないか、クラブの方針を教えていただきたい

徳山:ヴィッセル神戸は移転しませんのでご安心いただければと思います。会見の場所に関しては、非常に申し訳ないとしかいいようがないですが、我々も基本的には神戸で開催することを第一に考えてはいるのですが、どうしてもスケジュールの都合で今回は東京でとなってしまったことは、確かに過去ございます。その点に関しては、今後は極力神戸で開催するようにしていきたいと思います。

このような急な呼びかけにも関わらず、土曜日の朝にお集まりいただいているということは皆様のヴィッセル神戸への強い思い、愛情というものを感じます。そのようなクラブを預からせていただいているといっては恐縮ですが、関わらせていただいていることに対してしっかりと覚悟を持って取り組んで参りたいと思います。

 

Q.ミーティングの開催を依頼して、一カ月間放置されたが、いつでもできたのではないか。我々は見ている立場ではなく、ずっと応援してクラブに参加してきたものなので、恐れずにしっかり話し合いをし、協力するので今後こういったことはないと約束してほしい

徳山:結果としてこのタイミングになってしまった事、ファン、サポーターの方にフラストレーション、クラブとしての想いを悪い方向に増長させたのは申し訳なく思っています。ファン、サポーターを第一に思えば、別の方法はあったんじゃないかというのは、おっしゃる通りです。結果として非常にお忙しいホームゲームの当日になったことは申し訳ないと思うとともに、今後、継続的に設けていきます。本当にこれだけの皆様がヴィッセル神戸のことを考え、ここに来ていただけることはパワーがいることだと思います。皆様はヴィッセル神戸の一員だと思います。しっかり取り組んでいきますし、私はファン、サポーターの神戸の皆様に向き合いながら仕事をしていきます。三木谷は重要な存在です。彼がいたからことこそできたこともあります。彼の神戸の恩返しというのもあります。何か誤解が生じてしまうこともありますが、誤解が生まれないようにしていくのも私の仕事です。徳山が来てよくなった、よくやっているというのを今後の姿勢で見せていきたいと思います。

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