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ともに考える「食」の大切さ
取材・文=山本剛央 写真=吉田孝光

長年、スポンサーとしてヴィッセル神戸を支援してくださっているG-7グループ。多岐にわたる事業を展開する同社ですが、「食」や農業に関する事業にも力を入れています。今回は、木下智雄代表取締役社長のもとを山川哲史が訪れ、「食」や農業をテーマに熱く語り合いました。

ともに考える「食」の大切さ

共通目標は子どもたちに夢や希望を与えること

──まず初めに、G-7グループがどういった会社なのか、少しご紹介いただけますか。

木下智雄代表取締役社長(以下木下)
はい。当社は46年前、兵庫県加古川市の小さな小さな部屋にて、木下守が創業しました。もともとはカー用品を扱う会社でしたが、少しずつ事業拡大を図り、今では車やバイク関連、食料品、スーパーマーケットなどの事業を展開しています。従業員はパート、アルバイトを含めると約7500名です。

──御社がヴィッセル神戸のスポンサードを始めたのは2011年でした。経緯やきっかけを教えてください。

木下
兵庫県、特に当社の拠点である神戸市を主体に活動しているプロスポーツチームを応援したいという思いがありました。やはりプロ選手が必死に努力して、活躍する姿は子どもたちに夢や希望を与えられると思います。ヴィッセルの前には、オリックス・バファローズを支援している時期もありましたが、神戸を盛り上げるという意味ではヴィッセルだろう、と。それに個人的な話になりますが、私は1998年のワールドカップ・フランス大会を現地で観戦する機会に恵まれ、かつ、息子もサッカーが好きで、今でもずっとプレーしています。そういった縁もあり、ヴィッセルを応援させていただいています。

山川哲史(以下山川)
本当にありがとうございます! G-7グループさんをはじめ、スポンサーの皆さんのご支援があってこそ、僕たち選手はサッカーに集中することができているので、感謝の気持ちでいっぱいです。木下社長がおっしゃった子どもたちに夢や希望を与えたいという思いは僕たちも同じ気持ちです。そういった意味では、手段は違えど、同じ目的、同じ目標を持ってスポンサーの皆さんと一緒に戦っているというイメージが強いです。

──G-7グループは農産物の直売所『めぐみの郷』をはじめ、「食」に携わる事業を多く展開されています。木下社長の「食」に対する思いを聞かせてください。

木下
「食」はとても大切ですよね。スポーツ選手なら、なおさらです。食をおろそかにすると、体力面はもちろん、精神や思考にも悪影響が出ます。ですので、毎日きちんと食事をとらなければいけない中で、より良い食材を、より安心安全な食材を作り続けていくことが大切だと考えています。ですが、日本の農業は課題が山積み。農業従事者は年々減っているし、食品は輸入に頼っているのが現状です。日本国民の食料の80%、あるいは70%を自国で生産できるようにしていきたい。なぜなら、いざ何かが起こった時には、本当に大変なことになってしまうからです。誰かがリーダーシップを執って働きかけをしていかないと、将来の日本はもっと大変なことになります。そういった考えのもと、会社をあげて取り組んでいます。

──山川選手は食事の重要性を、どのように認識されていますか。

山川
まず、偏ったものを食べないように心掛けています。毎日、同じようなものを食べない。そこは自分の中で意識していますね。お肉だったら牛、豚、鶏と種類がありますし、野菜だともっと種類が豊富です。いろいろな食材をバランスよく食べることが大事。そこは毎日の生活の中で意識しています。

木下
素晴らしいですね。やはり、食べるものによってはプレーに影響が出ると考えていますか?

山川
そうですね。サッカー選手は体が資本ですから。体調管理は自分でしないといけないですし、体を強くするという意味でも食事は大事にしないといけないと思っています。コンディションを整えるためにも、「食」が与える影響は大きいと感じています。

木下
試合の前日や試合直前に必ず食べるものはあるんですか? ルーティンというか。

山川
ルーティンとしては、試合の3~4時間前に炭水化物を多くとることを意識しています。それが直接試合でのエネルギーになりますから。僕はお米が好きで、基本的にはおにぎりや白米をそのまま食べることが多いです。

農業や農家を盛り上げる『めぐみの郷』

──G-7グループさんはヴィッセル神戸の選手寮「三木谷ハウス」に食材提供をされています。その経緯や思いを聞かせてください。

木下
繰り返しになりますが、「食」はとても大切です。「食」によって選手の動きや、コンディションが変わってくると思います。少しでも役に立てるのであれば、という考えから食材を提供させていただくことになりました。選手たちがより「食」の大切さを理解することによって、一般の人たちにもより一層「食」の大切さを広めていってもらいたい。そう願っています。

山川
G-7グループさんのご厚意に対しては、感謝の気持ちでいっぱいです。ここに来る前にも、三木谷ハウスで昼食をとりましたが、いろいろな食材が使われていて、本当にありがたいなと感じています。三木谷ハウスでは主に高校生が食事することが多いですが、僕自身も高校時代に三木谷ハウスのご飯を食べて体重を10キロ増加させました。栄養のある食事をとり続けられたことには、とても感謝しています。

──先日には、ヴィッセル神戸YouTubeの企画においてG-7グループさんの『めぐみの郷』ご協力のもと山川選手、櫻内渚選手、小林友希選手が稲刈り体験をしました。

山川
楽しかったし、いい経験になりました。僕たちはコンバインに乗って収穫したり、自分の手で稲を刈ったりしましたが、収穫はいわば最後の仕上げ。その稲が育つまでには、生産者の方がすごく苦労されているんだろうな、と。天気にも左右されるため、年によって運が良かったり悪かったりもある。すごく大変な職業だと思いました。僕たちが普段から口にしているお米は、そういった方々が手塩にかけて作ってくれたものなので、本当に感謝して食べないといけないな、と改めて思いました。

木下
やはり何事も体験することが大事ですよね。祖父母が加古川市で田んぼをやっていましたが、私が小さい頃には田植えを見にいったり、稲刈りをしました。ただ、今の子どもたちにはそういう機会がほとんどありません。ですので、当社としては子どもたちが農業に触れられる機会を作っていきたいと考えています。来年、再来年くらいを予定していますが、加古川の平荘湖という湖にキャンプ場を作る計画があります。そこに小さな農場を作って、例えば夏だったら茄子の収穫を子どもたちに体験してもらったり、しいたけハウスで収穫をしてもらったり、そういうことができないかと考えています。

山川
面白いですね。楽しそうだし、子どもたちにとってはいい経験になりますよね。

木下
農業を盛り上げるには、まずは興味を持ってもらう、そこが最初のスタートラインになりますから。本で知識を得るよりも、自分で体験することによって学ぶほうが早いのかなと思っています。

山川
僕もそう思います。稲の収穫をコンバインでやったのは人生で初めてでしたが、全然うまくいかなかったです(苦笑)。難しかったけど、面白かった。それはやらないと味わえませんからね。また、体験することによって食材や「食」への関心も高まっていくと思います。

▼YouTube企画
【サッカー選手が田んぼで躍動!】ガチンコ稲刈り対決 Supported by G-7 Group

──「食」の生産業を盛り上げるため、G-7グループさんは10年ほど前から産地と消費者をつなぐ直売所『めぐみの郷』を展開されています。始められた理由は何だったのでしょうか?

木下
一番は農家さんを応援したい、という思いです。先ほども話したように、農業はとても重要です。農家さんが汗水垂らして作った野菜を直接お客さんに提供する場を作ろうと考えたのが、創業者の木下守でした。『めぐみの郷』は販売までの中間ルートをすべてカットするため、農家さんと消費者がダイレクトでつながることができます。価格もある程度、食料品スーパーよりも安くできる、ということで事業がスタートしました。

──農家さんと消費者、どちらにもメリットがある仕組みですよね。

木下
はい。それまでの農家さんは作ったものをJA(農業協同組合)に送るだけでした。実際に消費者と顔を合わせることがないし、自分が作った野菜が美味しかったのか、どう料理されているのか、どんな使い方をされているのか知りようがなかったわけです。でも、『めぐみの郷』では、農家さんが直接自分で商品を搬入して、自分で好きな金額を設定して売ることができます。さらに、直接お客さんの反応を知ることができるため、非常に喜ばれています。

山川
単純に販売所の機能に加えて、人と人をつなぐ役割も担われていて、とても素晴らしいですね。いろいろな人に可能性を提供し、かつ、その可能性を広げているような感じがします。

木下
ありがとうございます。そういった側面もあると思っていますので、これからも『めぐみの郷』のような店舗を日本全国に作っていきたいと考えています。

会社もサッカークラブもチームワークが大事

──G-7グループとして日本の農業をより一層、盛り上げていくために考えられていることがあれば教えてください。

木下
今、考えているのは、日本全国の農業高校とコラボレーションをして、農業を広めていくこと。今年の夏前には一度、加古川にある兵庫県立農業高校と接点を持ちました。そういう施策を推進しながら一緒になって協力していければ、より農業の可能性を広げていけるのではないかなと考えています。

山川
G-7グループさんは、すごく魅力的な会社ですね。木下社長の農業に対する熱い思いを聞かせていただくと、僕としても刺激になります。いろいろな人の可能性を広げる取り組みをされていて、純粋にすごいと感じますし、何だかうれしくなりました(笑)。僕もそういった姿勢を見習って頑張っていきたいです。

木下
実を言うと、私も最初は農業にあまり興味がありませんでした。創業者の思いを継承している形です。創業者が常々、主張していたのは従業員はもちろん、それ以外の方々にもチャンスを与え続けられる会社であるべき、ということです。それはサッカーでもそうですよね。いろいろなチャンスを与えられて、そこで自分がいかにして結果を残すか。その結果を残すために、それまでにどんなことをやってきたのか、が問われますよね。

──その流れで少しサッカーの話もお伺いします。木下社長は2021シーズンのヴィッセルの戦いぶりをどのようにご覧になられましたか?

木下
素晴らしい。その一言じゃないでしょうか。3位は過去最高の成績ですよね。今シーズンは大迫勇也選手が途中で加入してくれたりして、チームがパワーアップした印象が強いです。来年はさらに進化することを期待しています。神戸の皆さんも喜んでいるでしょう。コロナ禍の影響で、お客さんがスタジアムに行けない時期もありましたが、そういった難しい状況でも頑張ってくれたのは、ファンの皆さんに大きな力を与えたのではないかなと思います。

──山川選手は今シーズンを振り返っていかがでしょうか。

山川
木下社長がおっしゃったように、これまでと比べて結果を残せたシーズンになったと思います。その理由は、素晴らしい選手が揃っているということと、その選手たちが全員同じ方向を向いて、同じ目標に向かって一致団結できていることが大きいです。組織の中の全員が同じ方向を向けば大きな力になります。そうなれれば結果は後からついてくる。それを感じられたシーズンになりました。

──山川選手個人としてはプロ2年目のシーズンでした。自身のパフォーマンスについては?

山川
シーズン前半戦は多く出場させてもらい、試合をしながら成長している感触を得られていました。後半戦になると途中出場が多くなりましたが、僕自身、試合に途中から出るという経験はほとんどなかったので、新しい経験を積むことができ、非常にプラスになったと思っています。

──それでは最後に、木下社長からチームへ向けてメッセージをお願いします。

木下
会社も、サッカーチームも大事なのはチームワークだと思っています。目標を明確化し、チームとして目標達成を目指す。これが一番大事なこと。私どもの会社でも今年はこういうことをしよう、それに向かって全員が足並みを揃えてやっていこうと話をします。各個人がバラバラなことをやると、めちゃくちゃになりますから(笑)。そして協力し合うことも大切。私が社長業をこなせているのは、周りの人たちがサポートしてくれているから。一人では絶対に何もできません。みんなが協力し合うことで組織が成り立つ。その気持ちを忘れずに、2022シーズンは今年以上に飛躍できるよう、ぜひ頑張っていただきたいと思っています。期待しています。

山川
ありがとうございます! チームのみんなで頑張っていきます。