吉田孝行監督はターンオーバーをして試合に臨む際には、決まって「リーグ戦で出場できない悔しさをぶつけてほしい」とコメントする。加えて「タイトルを狙うためには、全ての選手の力が必要になる」とも語り、いわゆる「控え選手」の発奮を促してきた。この指揮官の気持ちは、確実に選手たちにも伝わっている。全ての選手たちが、自らが起用された試合の前後には、そうした気持ちを言葉にしている。例に漏れずこの日の試合でも、先発で起用された選手たちは強い気持ちをもって試合に臨んでいた。
しかしそれを結果に結びつけることはできなかった。そこには個人単位での問題もあったとは思うが、それ以上にチーム内での「役割」が不明瞭なままに試合を進めてしまったことが原因であるように思われる。
チームスポーツといわれる競技の場合、各選手には役割が与えられていることが多い。野球のように、投手対打者など「1対1」の局面が多い競技においても、それは例外ではない。ましてやサッカーのように、常に複数の選手の関係で成り立っている競技となると尚更だ。この「役割」とは選手個々に与えられたタスクでもあるのだが、その意味を選手が理解していないことには、指揮官が期待する効果は生まれない。
筆者の友人である歴史研究者によると、戦国時代の戦いにおいては各部隊の役割が細かく定められており、それを遵守することが求められていたという。ドラマなどで時折見かけるような1人の武将が勇猛果敢に敵中に切り込み、事態を打開するというような場面は皆無に近かったようだ。ましてや大きな戦ともなると、各部隊の連携こそが勝敗を分けたという。今のような通信手段はないため、各部隊が自らに課せられた役割とその意味を把握していないと連携は崩れ、そこが蟻の一穴となってしまった。そのため大将は各部隊長に、いかにしてその役割を認識させるかに腐心していたという。

この「役割」という言葉を軸にしてこの日の試合を振り返ってみると、前半にヴィッセルが苦戦した理由が浮かび上がってくる。
ここでこの日のメンバーを確認しておく。GKは権田修一。最終ラインは右から広瀬陸斗、岩波拓也、本多勇喜、永戸勝也の4枚。中盤はアンカーに山内翔、インサイドハーフにはグスタボ クリスマンと冨永虹七の3枚。前線は右からジェアン パトリッキ、小松蓮、汰木康也という並びだった。このメンバーを吉田監督の意図に沿って分類すると、実力を解った上で起用しているグループ、調子を上げてほしいグループ、そしてこの試合を飛躍のきっかけにしてほしいグループの3つに分類できるように思う。1つ目には権田、岩波、本多、パトリッキ、汰木といった選手が該当すると思われるが、彼らには試合の中で軸となってほしいという思いもあったのではないだろうか。そして2つ目だが、これは広瀬と永戸だ。この試合では途中出場となった佐々木大樹などもここに入ることになるだろうが、彼らはいずれも負傷空けという状態にある。そしてこの先の戦いを勝ち抜いていくために、欠くことのできない存在でもある。彼らは既にリーグ戦での復帰も果たしているとはいえ、まだトップフォームを取り戻すには至っていない。いずれも実力や経験のある選手であり、足りないのは実戦経験に基づく試合勘という判断を吉田監督が下していたとしても、それは頷ける。そして3つ目のグループに入るのはクリスマン、山内、冨永、小松ということになるだろう。いずれも過去に出場した試合では輝きを放つ場面はあったものの、それを安定的に発揮するには至っていない。「公式戦に勝るトレーニングはない」と言われるだけに、彼らには、この日の試合で飛躍のきっかけをつかんでほしいという思いが込められていたのではないだろうか。
こう考えてみると、この試合のメンバー選考は頷けるものではあるのだが、そこに「役割」という条件を加えると見え方は変わってくる。
吉田監督が頻繁に口にする「ヴィッセルの戦い方」においてベースとなるものは3つだ。「前線からの連動したプレス」と「素早い攻守の切り替え」、そして「球際の強さ」だが、これらは選手個々の役割とも密接に関係している。過去に何度も書いてきたことだが、相手ゴール前でボール非保持に変わった時、ヴィッセルは並びを4-4-2に変更するのが基本だ。この試合であれば小松と冨永が2トップの関係を構築し、パトリッキと汰木の両ウイングはサイドハーフへと役割を変える。そしてクリスマンは山内とダブルボランチを形成する。その上で前線からの連動したプレスによって、高い位置でのボール奪取を狙う。これによって守備と攻撃をシームレスにつなぎたいというのが吉田監督の意図するところなのだが、ここで踏まえておきたいのは「なぜ4-4-2なのか」という点だ。
イギリスではサッカー雑誌(FOUR FOUR TWO)の名前にも採用されるほどポピュラーでもあるこのフォーメーションの最大の特徴は、その「バランスの良さ」にある。さらに個人の担当するエリアが明確であるため、カバーリングの判断もしやすい。そして何よりも中盤と最終ラインの各4枚がピッチ上で均等に広がるため、常に相手との2対1が作りやすい。守備における基本である「チャンレンジ&カバー」がしやすいため、守備には適した並びとされている。加えて前線に2枚を残す形となっているため、カウンターに移行しやすいという特徴もある。さらに前線の2枚は中央に残ることが多いため、サイドハーフの選手にとっては、前に攻撃のためのスペースが確保できている。こうした特徴を考え併せれば、ウイングに突破力のある選手を配し、ボール奪取から素早い攻撃への移行を求める「ヴィッセルの戦い方」には適していると言えるだろう。
しかし完璧なフォーメーションはないと言われるように、この並びには弱点が4つある。そしてこの日の前半は、まさにその形に嵌まり込んでしまっていた。次はこれについて見てみる。
1つ目はボール非保持時に見られる中盤での数的不利だ。前記したようにこの並びはバランスが取れている一方で、全体的に守備の厚みはない。ましてヴィッセルのようにボール奪取からのカウンターを狙うチームの場合、攻撃のことを考えてサイドハーフが幅を取った場合、中央は2枚のボランチで守り切らなければならない。対戦相手の江原の基本布陣は4-4-2ではあったが、ポゼッションを重視しているスタイルであったため、最終ラインの選手が高い位置に上がってビルドアップに加わる場面も多かった。それもヴィッセルのファーストディフェンダーを越えたタイミングで加わってきたことで、中盤での数的優位を確保しようとしていた。これに対してヴィッセルはサイドのパトリッキや汰木が中央に流れてフォローする場面も見られたが、その場合は江原のサイドバックが高い位置を取ることでこの動きを牽制してきた。その状況を見て小松や冨永が下がって守備をする場面も多かったのだが、この場合はボールを奪ってからの攻撃に時間がかかるため、本来の良さが失われていた。
2つ目は、前記した事項とも関連してくるのだが、2トップの位置が被りやすいという点だ。
そして3つ目は両サイドの縦のバランスが崩れやすいという点だ。特にヴィッセルのように、高い位置でのボール奪取を狙う場合、前線の動きによって相手のボールをサイドに追い込んだ際、サイドハーフは前に出ることが多い。ここでボールを奪うことができればいいのだが、ここでかわされてしまった場合、背後に立つサイドバックは広大なスペースを管理する必要に迫られる。こうした状況に陥った時にはボランチが出ていくという方法もあるが、そうなると今度は中央が手薄になるといった具合にズレが生じる。結果的にサイドハーフが戻って守備をするのが全体のバランスを保ち続けるための最適解ということになるのだが、その場合にはボール保持に変わった時、前までの距離が生まれてしまうため、サイドからの攻撃が機能し難くなる。
最後はビルドアップ時の問題だ。4-4-2は直線的なフォーメーションであるため、斜めの位置で背後からのボールを受けることが難しい。そのため相手の視野の中でボールを受けることが多くなり、相手のプレスを受けやすいという特徴がある。そのため最後方でボールを受けた時には、そこからのボール脱出が難しくなる。
このように4-4-2には独特の難しさもあるのだが、これを回避するために重要なのが冒頭に書いた「役割」ということになる。これを念頭に置いて、この日の前半を振り返ってみると、この日の試合はシンプルな構造であったことが判る。
この日の前半、ヴィッセルが思うような試合運びができなかった最大の理由は「前線からのプレス」に連動性がなかったためだ。この日の並びでは小松と冨永がファーストディフェンダーの役割を担っていたのだが、ここに続く中盤でのプレスが効いていなかった。ここでその役割を担うべきはクリスマンだったのだが、このクリスマンのポジションは不安定だった。ボールがサイドに流れた際は、サイドハーフに入っていたパトリッキや汰木が次の動きをする。これに合わせてクリスマンは中央へのパスコースを塞ぐように立たなければならなかった。しかしクリスマンはボールサイドに寄りすぎてしまったため、江原の選手にとっては中央への逃げ道が生まれてしまったのだ。元々江原はポゼッションを重視したチームであり、パスワークには優れたものを持っている。そしてチーム全体がボールを中心にコンパクトな状態を保っていたため、この逃げ道が生まれてしまったことで、ヴィッセルのプレスは空転してしまった。2列目の位置でこのように優位性を作られてしまったため、アンカーの位置にいた山内も、前に出て行き難い状況に陥った。その結果、中盤は人数的な不利がもろに響く形となってしまった。
こうした流れが続く中で、ヴィッセルの中盤は守備に奔走する時間が増え、前に出ることができなくなった。この日の試合ではファーストディフェンダーのプレスが弱く見えた人もいたと思うが、それは小松や冨永だけの問題ではない。背後から中盤の選手が付いてくることができない状況であったため、小松や冨永は背後にスペースが生まれることを嫌った。そのため背後を気にしながらのプレスとなってしまい、結果的に吉田監督が求める「強度の高いプレス」が機能しなかった。
こうした状況が続いていたことを思えば、高い位置でのボール奪取にこだわることなく、全体を下げてミドルゾーンに4-4のブロックを形成し、相手の裏を狙う対応でも良かったように思う。前記したように江原がボールの動かし方に長けており、ヴィッセルの守備がそれを捕まえきれていなかった以上、ヴィッセルのもう1つの特徴である「球際の強さ」によって、まずは相手の攻撃を食い止める形の構築が優先されるべきだったのではないだろうか。

前半に難しい時間を過ごしたクリスマンだが、このボールサイドに食いつきすぎる特徴は、そこでボールを奪うことができれば武器となるが、この試合のように空転してしまうとチーム全体の構造に影響を与えてしまう。豊富な運動量で前に向けて動くことのできるクリスマンは、攻撃においては面白い存在だ。特に全体が押し込まれている中で見せるミドルレンジのパスは、状況を打開することもできる。能力は高い選手であるだけに、状況に応じた守備を身につけることができれば、チームにとって大きな存在となる。
次に2トップの立ち位置だが、これは被ったというよりも冨永が効果的な位置に立つことができなかったとも言えるだろう。しかしこれは、前記したボール非保持時の乱れの影響をもろに受けた結果とも言える。小松にボールが入る回数自体が少なかったが、そうした時こそ冨永にはボールを引き出す役割を担ってほしかったというのが率直な感想だ。冨永はボールスキルも高く、前に出るスピードもある。パスセンスもあるため、この日の前半のように、全体が押し込まれている中では、ポジションを落として「守備と攻撃のコネクター」になることができる。低い位置でボールを受け、そこで時間を作り、チーム全体のバランスを整えつつ、前を向かせるのがその役割だ。しかし背後を気にしながらのプレーになったことで、冨永は立ち位置を定めることができなかったように見えた。結果的に小松が低い位置に落ちてのプレーが多くなり、ヴィッセルの攻撃は相手に対する圧力を加えることができなかった。こうした状況下で冨永に期待されていたのは、小松を前に留めるプレーだったのだ。その意味では冨永も自らの役割を全うできなかったと言えるだろう。試合前日にはゴールへの意識を強く感じさせていた冨永ではあるが、結果的に前半だけの出場となった。冨永にとってこの日の試合は悔いだけが残ったのではないだろうか。

次にサイドの縦のバランスだが、これは左サイドがバランスを欠いていたように思う。汰木の位置に合わせて永戸も高い位置を取ろうとしていたが、永戸の背後のスペースは江原の狙いどころともなっていた。これは構造的な問題でもあるが、同時に永戸のプレーから本来の強さやキレが感じられなかったことも事実だ。前に立つ汰木が、この日の試合では積極的に縦の突破を狙っていただけに、永戸がもう少し高い位置でプレーする時間を増やすことができていれば、左サイドがチームを救った可能性は高かったように思う。
鹿島戦でも感じたことだが、永戸のコンディションはまだ万全ではないのかもしれない。メンバー選考の段でも書いたが、吉田監督もそれを感じているため、永戸をこの試合で先発起用し、コンディション回復を図ってほしかったのかもしれない。ヴィッセルに加入以降、見事なプレーで、それまでの懸案事項だった「左サイドバック問題」を早々に解決してくれた永戸だが、今は守備において難しい局面を迎えている。もともとクロスなど攻撃的な面に特徴を持っている選手ではあるが、そのプレー特性から背後を狙われる機会が増えたことで、対応の難しさに直面しているのかもしれない。ここ数試合、永戸の守備が以前とは異なっているように思う。以前は裏を狙う相手に対して、まずは正対して動きを止めた上で、身体を入れるように進路を切っていたのだが、今は正対する動作が見られない。裏から侵入されることを嫌ったためかもしれない。しかし永戸は球際の強さもある選手なので、まずは正対することで「守るチャンス」を増やしてほしいと思う。こうして見てみると、永戸の場合は役割は理解できていたが、それを全うできなかったということになるのかもしれない。
そして4つ目のビルドアップだが、これはリーグ戦と同様の問題が根底にあったように思う。この日の試合で最後方で起点となっていたのは岩波だったが、全体の角度がついていない中で、相手のプレスを受ける場面も多く、それが攻撃へのトランジションを弱めていたように思う。以前にも何度か指摘したが、岩波が出場している試合では、岩波を攻撃の起点として使うことがヴィッセルにとっては最適解であるように思う。岩波のロングフィードは精度も高く、質も高い。この日の後半、見事なスライスボールを左に通した場面があったが、あのようなキック技術を持ったセンターバックなど、なかなかいるものではない。そう考えれば、岩波から前線に大きく蹴らせるだけでも事態は動いたように思う。昨季途中、吉田監督はヴィッセルのロングボールへの対策として、対戦相手がプレスをかけるようになったのに合わせ、パスでつなぐプレーをチームに落とし込んだ。それ以降、ヴィッセルの最終ラインからのロングフィードは減ったように思う。しかしこの日の前半に限って言えば、中盤以前の攻撃が機能していなかった。であれば岩波に小松を目標としたボールを蹴らせ、そのセカンドボールを回収するという方法で、まずは試合の流れを取り戻すという方法もあったように思う。岩波はそれだけの技術を持った選手だ。試合後、岩波は風の影響が思った以上にあったことを話していたが、カット気味に低い弾道で蹴ることもできるため、比較的風の影響を受け難い選手だ。ここは敢えて言えば、ベンチワークによって一時的にでも岩波の役割を変える決断が欲しかった。今のヴィッセルにおいて最大の問題点でもあるビルドアップの不安定さが、この前半には露見してしまったように思う。

このように前半のヴィッセルは、各所で役割と選手がマッチしていなかった。それこそが「ヴィッセルの戦い方」ができなかった最大の理由であるように思う。江原は韓国・Kリーグ1においてチャンピオンシップグループ入りを決めており、年間の順位6位以上は確定している。既に全北現代の優勝も確定しているため、江原はリーグ戦同様に、主力メンバーでこの試合に臨んだ。その理由は明らかだ。クラブ史上初めてアジアの戦いに挑んでいる江原にとって、この日の試合は自分たちの力を図るためのテストでもあったのだ。それはヴィッセルを東アジア最強の1つとリスペクトした上での判断だったのだろう。こうした状況に対して、リーグ戦での出場経験の少ない選手が中心のヴィッセルが不利という見方をする人もいるかもしれないが、もしこれを受け入れてしまうと、ヴィッセルが目標としている「力が劣ることのない2チームを作る」という目標には届かないことになってしまう。経験という点においては江原に分があったとはいえ、ヴィッセルの選手たちがそれを乗り越えられないようでは「アジアの頂点」という目標達成は難しくなる。ここは敢えて「役割の理解」という点に、低調だったこの日の前半の原因を求めたい。
この日喫した4失点は、いずれもコーナーキックからの失点だった。原因を見てみると、それぞれに異なる理由がある。まず最初の失点だが、これはファーサイドでクリアした永戸のミスということになるだろう。永戸は頭で弾き返そうとしたが、これが相手選手へのパスのような形となり、再度蹴り込まれたボールを決められてしまったものだ。2失点目はゾーンで守るヴィッセルの隙をつくように、広瀬と冨永の間に入り込んできた選手に決められてしまった。3失点目はクリスマンのミスだ。クリアしたボールを拾った選手の放ったシュートに対して、クリスマンは背を向ける形で避けてしまい、それがそのままゴールに突き刺さった。そして試合終了間際の4失点目は、2失点目と似た形だ。ニアですらされたボールに対して中央に入り込んだ相手選手が、ヴィッセルの選手の間で合わせたものだ。
両チームがイーブンの状態で向き合うコーナーキックではあるが、1試合の中で4失点を喫したという事実は重い。いずれの形も想定されるものであったためだ。その意味では、事前準備を含めたベンチワークにも原因があるのかもしれない。この先の戦いを考えた時、このセットプレーの守備については、もう一度根本から見直す必要があるのではないだろうか。
結果的にAFCチャンピオンズリーグエリート25/26における初黒星を喫し、単独首位に立つチャンスを逃してしまった。しかし、収穫があったことも事実だ。
後半佐々木大樹、宮代大聖、鍬先祐弥を投入したヴィッセルは、一時は3点差を追いついてみせた。彼らの投入が試合の流れを一変させたことは事実だ。左サイドバックに入った鍬先は、堅実な守備で江原の前進を食い止めた。また佐々木は前線で見事な守備を見せ、反撃の狼煙となる最初の得点を生み出した。そしてこの試合で2得点を挙げた宮代は、技術の高さを感じさせるゴールを決めた。彼らは自らに課された役割を正しく認識し、それをプレーで表現した。
最大の収穫は佐々木の復調だ。5日前に行われた鹿島戦で戦列復帰を果たした佐々木だが、そこでのプレーについては自身が試合後に不満を口にしたように、佐々木本来のプレーとは程遠いものだった。しかしこの試合では佐々木らしい強さ、自在なパスワークが甦っていた。この佐々木の復調に呼応するように、宮代も自在に動き、本来のシュート技術の高さを発揮した。大迫勇也と武藤嘉紀という2枚看板を欠くことも多かった今季、ヴィッセルを今の位置に留める原動力となったこのコンビが復活したことは、残る試合への福音でもある。

悔しい結果に終わったが、次の試合はすぐにやってくる。次戦は中3日でのアウェイ・新潟戦だ。現在J1リーグ最下位に低迷する新潟だが、現時点でJ1残留圏内との勝点差は12。現在17位に位置する横浜FMとの得失点差は18ある。文字通りギリギリの状況に置かれている。しかし、微とはいえ「J1残留」への希望が残っている以上、新潟の選手が強い気持ちで試合に臨むことは間違いないだろう。さらに来季以降の巻き返しを狙うために、大いなる野心を持って試合に臨む選手もいるだろう。いずれにしても簡単な相手ではない。しかしヴィッセルもこれを受けて立つような余裕はない。J1リーグ3連覇に向けてギリギリの状況にあるためだ。ヴィッセルには新潟と同等か、それ以上に強いモチベーションがあるのだ。新潟を圧倒する気概を持って戦いに臨み、しっかりと勝点3を奪い、残り試合への勢いをつけてほしい。

